
一言で言うと、
印西市は、地盤が強く都心にも近いことから、データセンターが集まる街になりました。
いま問題になっているのは、駅の近くや住宅地のそばに建つ計画です。千葉ニュータウン中央と白井では裁判になり、印西牧の原では再開発の構想が話し合われています。
市は駅のまわりで建てられる場所を見直しています。家を選ぶときは、近くの空き地や大きな施設の土地が、何に使われる予定かを確かめておくと安心です。
なぜ印西・白井にデータセンターが集まるの?
データセンターは、インターネットのサービスやデータを動かすコンピューターを、たくさん置いておく建物です。
印西市は、市の資料の中で、データセンターが集まった理由として次の3つを挙げています(印西市)。
- 場所:首都圏に近く、海外とつながる海底ケーブルの陸揚げ地点と東京の間にある
- 強い地盤:かたい地盤の上にある
- 広い土地:大きな敷地を確保しやすい
市によると、Google、AWS、エクイニクス、NTTデータ、SCSKなど多くの企業が印西への進出を公表しています。ただし、場所を公表していない企業も多いとしています。報道では、市内に約30棟が集まり、さらに10棟以上が計画されているとされています(日本経済新聞)。
データセンターが増えたことで、固定資産税を中心に市の税収が増え、子育てや教育、道路や公園の整備などに使われていると市は説明しています。
地図|データセンターと計画地の位置

出典:国土地理院ウェブサイト(淡色地図)をもとに千葉すまいラボ作成。位置はおおよその位置です。
地図の①②④は、いまニュースになっている計画です。③は、大和ハウス工業が開発した、すでに動いているデータセンター群です。
印西市内のデータセンターの多くは場所が公表されていないため、地図にはすべてを載せていません。位置は町丁目などからのおおよその位置です。
千葉ニュータウン中央|イオンモール隣の計画(Inzai5)

千葉ニュータウン中央駅前のイオンモール周辺。計画地はこの隣です(※イメージ)
📌 イオンモール隣のデータセンター(2026年10月時点)
場所:千葉ニュータウン中央駅から歩いて数分、イオンモール千葉ニュータウンの隣の土地
建物:地上6階建て・高さ約53m・延べ床面積約3万㎡。工期は2026年1月〜2028年2月の予定
経過:2025年4月に計画が明らかになり、2026年1月に建築確認が出た
裁判:2026年3月、隣のマンションの住民10人が建築確認の取り消しを求めて提訴。8月には、別の住民が市長に損害の賠償を求める裁判も起こした
住民側は、データセンターは地区計画で建てられない「工場」や「倉庫」にあたると主張しています。近くのマンションからは、日当たりや景観、騒音を心配する声が上がっています。
駅の近くの暮らしについては「千葉ニュータウン中央駅の住みやすさ」でくわしく紹介しています。
印西牧の原|BIGHOPの再開発の構想

印西牧の原駅近くのBIGHOP。再開発の構想はこの場所です(※イメージ)
📌 BIGHOPの再開発の構想(2026年10月時点)
中身:開業から約20年たったBIGHOPを再生するため、商業施設を残しながら敷地内にデータセンター2棟を建て、その収益を建て直しに使う
広さ:約13.4haのうち、商業・地域の施設が約2.7ha、データセンターが約3.2ha、残り約7.5haは使い道が未定
順番と時期:事業者は商業施設を先に整備するとしている。データセンターの稼働は2030年代半ばが目標
段階:市との事前の協議や許可の手続きは、まだ行われていない。2026年10月に住民説明会が開かれた
市は、事業者が計画の早い段階から地域に説明し、住民と話し合うことが大切だとしています。BIGHOPは駅前の買い物の中心なので、商業施設がどう残るかも気になるところです。
駅の暮らしについては「印西牧の原駅の住みやすさ」で紹介しています。
白井|白井駅の南東の計画(日本GLP)

白井駅の南口。計画地は駅の南東です(※イメージ)
📌 白井市復のデータセンター(2026年10月時点)
場所:白井駅の南東約1.4km、白井市復の約13ha。北側と西側は住宅地
建物:日本GLPが、データセンター4棟と変電所などを計画。建物の高さは最大40mまでとされ、住宅に近い部分はさらに低く抑えるルールになっている
経過:2025年8月に市が地区計画を決め、11月に開発を許可。工事が進んでいると報じられている
裁判:2026年1月、近くに住む人が、市街化調整区域での開発の許可は違法だとして、許可の取り消しを求めて市を提訴
同じ白井市復の北千葉道路のまわりでは、これとは別に、NTTデータグループもデータセンターの計画を進めていると報じられています(日本建設新聞)。
白井の暮らしについては「白井駅の住みやすさ」で紹介しています。
住民が心配していることと、市の対応
印西市が2025年4月から行った意見募集では、駅のまわりのデータセンターについての意見126件のうち、114件(約9割)が否定的でした(印西市)。データセンターそのものの必要性は分かるものの、暮らしの近くに建つことへの不安が多かったとしています。
よく挙がる心配は、次のようなものです。
- 大きな建物による日当たりや景観の変化
- 冷やすための設備の音や熱
- 駅前のにぎわいや、買い物の便利さが変わること
こうした声を受けて、印西市は北総線の3つの駅のまわりで、データセンターを建てられる場所を見直す地区計画の変更を進めています。
| 地区 | 進み具合(2026年10月時点) |
|---|---|
| 印西牧の原東地区 | 2026年8月に変更の手続きが完了。地区の一部で、データセンター用の事務所を建てられないようにした |
| 印旛日本医大駅前周辺地区 | 2026年5月に住民説明会。早く手続きを終えることを目指している |
| タウンセンター地区(千葉ニュータウン中央駅のまわり) | 区域全体でデータセンターを制限する案。2026年10月に住民説明会 |
| 印西牧の原駅前センター地区(BIGHOPのある地区) | 再開発の提案を受け、地区計画の方向はこれから検討 |
※出典:印西市「北総線3駅圏での地区計画の変更について」、印西市(印西牧の原東地区)
住まい選びで確かめること
データセンターの計画は、駅前の空き地や大きな駐車場、商業施設の建て替えなど、思わぬ場所から出てくることがあります。宅建士の立場から、家を選ぶときに確かめておきたいことをまとめます。
家を選ぶ前のチェックリスト
✅ 近くの空き地・大きな駐車場・商業施設の土地が、何に使われる予定かを市の都市計画のページで見る
✅ その場所の地区計画で、どんな建物が建てられるかを確かめる
✅ 重要事項説明で、地区計画などの「法令上の制限」の説明を受けたら、気になる点はその場で聞く
✅ 市が開く説明会の資料や、事業者の公式サイトで、計画の段階と時期を確かめる
✅ 南側や窓の向きに大きな建物が建つ余地があるかを、地図で見ておく
計画は話し合いの中で変わることも多いので、「建つ」「建たない」と決めつけず、最新の情報を確かめることが大切です。
まとめ|印西・白井のデータセンターは「場所」で見る

印西・白井は、地盤が強く都心に近いことから、データセンターが集まる街になりました。
いま問題になっているのは、駅の近くや住宅地のそばの計画で、千葉ニュータウン中央と白井では裁判になっています。印西市は、駅のまわりで建てられる場所を見直しています。
家を選ぶときは、近くの土地が何に使われる予定かと、その場所の地区計画を確かめておくのが、いちばん確かな備えになります。